「一陶工の自己紹介」
安田道雄
私は琵琶湖の畔、湖西の和邇の里で作陶しております。かれこれ四十五年余の作陶人
生を歩んでまいりました。
そ
の間、高麗茶盌を勉強してきました。その中でも井戸茶盌に取り憑かれて勉強してき
まして、六年ほど前に井戸
そして、平成二十二年四月十一日、堺の南宗寺にて山上宗二四百二十年忌追
善顕彰茶会にて大井戸茶盌六盌を数 茶盌として使っていただ
きました。
天慶院での濃茶席は大
徳寺別院徳禅寺、橘宗義禅師がご亭主で、一年程の準備をな され、知力を尽くされた、心
づ
そ
の 後井戸茶盌以外の高麗茶盌も本格的に勉強するよ うになりました。
釘彫
伊羅保茶盌、柿の蔕茶盌、斗々屋茶盌、蕎麦茶 盌、伊羅保片身替茶盌、黄伊羅保茶盌、御本茶盌、粉引茶
その 結果として「高麗茶盌を作りたくて」と題して二 冊目の著作にも挑戦しております。 私は二十代の中
頃に京都、五条坂の登り窯を借りる幸運に恵まれ、十年ほど に百回程の経験をする事ができ
ました。
参りました。 京焼きには様々の
分野がありますが、その中に高麗写しの系譜が続いておりま
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井戸茶碗への思いを本に纏めました。 (非売です)
は じ め に
井戸茶碗への思いは、
この世界に入って間もなく始まりました。
それから四十年、ひたすら思い続け、作り続けてきました。今振り返れば永い道のりであり、
よく続いたと感慨ひとしおでございます。
今、自分なりの井戸茶碗らしきものを、作れた喜びを感じております。
後に続く方々の、ささやかな案内になればと、拙い文章を書いております。
井戸茶碗への思い、疑問、想像、浪漫、そして永年積み上げてきました
技術論のようなものを纏めてみました。
私の陶器づくりとしての、一つの生き様としての整理といいますか、まとめのような気持ちでございます。
平成二十八年 東京赤坂
游ギャラリーにて個展 平成三十一年 東京京王
百貨店にて個 |
Copyright(C) 2006 Michio Yasuda
All rights reserved.
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